退職金減額「十分な説明を」最高裁初判断

おはようございます。雪がパラパラ降っていますが、日も照っています。積りはしないでしょう。

山梨県内の信用組合が合併を繰り返し、誕生した山梨県民信用組合(甲府市)が退職金を大幅に減らす規定変更を行ったことは無効として、旧峡南信用組合出身の元職員が山梨県民信組に合併前の基準での退職金を支払うよう求めた訴訟の上告審判決がありました。

最高裁第2小法廷は2月19日、賃金や退職金を減額するなどの不利益変更には「事前に経営者側が十分な説明を行うなど、労働者側が自由意思に基づいて同意していることが必要だ」とする初判断を示しました。

そのうえで、原告敗訴とした2審判決を破棄し、東京高裁に差し戻しました。高裁では、原告側敗訴の判決が見直される可能性があります。

山梨県民信組は平成16年に新たな退職金規定を導入し、職員側も同意しました。しかし、旧峡南信組出身の職員にとっては、退職金がゼロになるか大幅に減額される内容でした。

1、2審はいずれも「職員側の同意は有効」として請求を棄却しました。しかし第2小法廷は「労働者は経営者側の命令に従う立場にあり、意思決定の基礎になる情報収拾集能力も限られる。形式的に同意しているだけでは不十分だ」と指摘しました。

もう来週からは3月です、確実に春は近づいています。夜はオリオンが西へ西へと動いています、少しづつですけれど。


パワハラ、和解後に再び:社労士団体に最高裁

おはようございます。先週、久々に東京に行ってきました。セミナー出席でしたが、いい刺激を受けてきました。

社会保険労務士らの事務組合である「神奈川SR経営労務センター」の職員だった女性が、上司らのパワーハラスメントをめぐる訴訟が和解した後も状況が改善しなかったとして、センター側に新たに損害賠償を求めた訴訟を起こしました。2016年2月17日付で、最高裁第2小法廷は19日までに、センター側の上告を受理しない決定をしました。これにより女性逆転勝訴の2審判決が確定しました。

2015年8月に高裁の判決がありました。神奈川SR経営労務センターで勤務していた40代の事務職の女性が、上司からのパワーハラスメント被害を訴えた別訴訟で和解した後も職場環境が改善されなかったとして、センター側に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決です。東京高裁は8月26日に、女性敗訴の1審横浜地裁判決を取り消し、請求通り330万円の賠償を命じたのです。

女性は別訴訟で平成24年11月、センター側が70万円を支払い、再発防止に努めるなどの内容で和解しました。センター側はお金を支払いましたが、今回の訴訟は、他の和解内容を守ったかが争点でした。

1審は、センター側が和解を守らなかったとまでは認められないと判断しました。一方、高裁は、当時の役員が、女性に「過去はどうでもいいじゃないですか」と発言したことなどを挙げ、不誠実な態度を取り続けたと認定しました。社会保険労務士なのに、労務管理の対応を誤った役員らの責任は重大、と指摘しました。

そして最高裁は、センター側の上告を受理しない決定をした、というわけです。女性側逆転勝訴の2審判決が確定したのです。

襟をだたし、気を引き締めなければならない事件です。改めて自らを律しなければなりません。


2016年全国社長分析

おはようございます。日差しは暖かいのですが、風が冷たい一日でした。風邪などひかないようお気をつけください。

帝国バンクが、1月26日に、2016年全国社長分析を発表しました。それによりますと、社長の平均年齢は、2015年に59.2歳と過去最高を更新しました。また、社長交代率をみると、2015年は3.88%となり、3年連続で前年を上回りました。

業種別に社長の平均年齢をみると、最も高いのは不動産業の61.1歳、次いで製造業の60.7歳、卸売業の60.2歳が続きました。不動産業の高齢化が際立つ一方、携帯電話ショップなどを含む通信付帯サービスやIT関連業種の平均年齢が低い結果となりました。

年商規模別の平均年齢をみると、1000億円以上の60.9歳が最も高く、1億円未満の60.0歳がこれに続きました。規模が小さいほど70代や80歳以上の社長が多くなっています。

年商規模の結果では、1億円未満における平均年齢の上昇が顕著で、1990年から7.6歳上昇しています。逆に年商500億円以上の企業では若返りが図られている現状から、小規模企業が事業を継承するのは困難な状態が続いていることに加えて、平均年齢を引き下げる若者世代の創業が減少していることも考えられます。

都道府県別にみると、最も平均年齢が高かったのは岩手県の61.3歳で秋田県の60.9歳がこれに続き、東北地方での高齢化が目立ちました。

社長の高齢化には地域や産業ごとにも差異が存在しています。特に製造業は30代、40代の社長の構成比が最も低く、産業構造の変化もあるが、開業率の悪化が懸念されています。

そのため代表高齢化のデメリットとして、企業の活力低下のほか、製造業にとって重要な技術・ノウハウの継承が阻害される可能性が高く、将来にわたって日本経済に与える影響は大きいといえます。

深刻化の一途をたどる社長の高齢化について、社長交代率にわずかに上昇の兆しがみられるものの、産業の持続的な発展のためには、若者世代の企業活発化が必須な状況で、重点的な公的支援の充実が期待されます。

私の経験が、ほんの少しでも、そんな力の参考あるいは反省の一助になればと思います。