トヨタ、工場熟練者の再雇用待遇改善

おはようございます。すっかり秋らしくなってきました。久しぶりに晴れていて、日差しも優しい感じです。

トヨタ自動車は、定年後に再雇用した工場勤務の技能系社員の待遇を改善する方針を決めました。一定の条件を満たす社員については、再雇用後も定年前の給与水準を維持する仕組みを2016年1月に設けることで労使が合意しました。

少子高齢化で人手不足が見込まれる中、熟練した技能を持つシニア社員を積極的に活用し、生産現場での競争力の維持・強化を図ります。

トヨタが見直すのは、スキルド・パートナーと呼ばれる再雇用制度です。60歳で定年を迎えても、希望すれば65歳まで再雇用されますが、収入は定年前の半分程度に減少します。新制度では、人事評価などの条件を満たせば、定年前の肩書のまま役職手当を引き続き受け取れるようにするなどして、待遇を改善します。

トヨタは、制度見直しで、定年後も再雇用される技能系社員の割合を、現在の7割からさらに引き上げ、生産技術の伝承を促進します。

私が以前いた会社でも、ワザを持っている人はいて、重宝したものです。以前は、定年等をもって、その技能が消滅する、などと話題になったものです。しかし待遇改善により、トヨタが率先して技能を保持すれば、更に強い会社になるのではないでしょうか。嬉しいニュースです。


妊娠で解雇、病院名を公表

おはようございます。雨の日が多くなりました。すっかり秋模様となり、過ごしやすい季節になりました。

妊娠を理由に女性職員を解雇し、是正勧告にも従わなかったとして、厚生労働省は4日、男女雇用機会均等法に基づき、茨城県の病院名を公表しました。公表制度は1999年からありましたが、公表するのは初めてということです。

厚労省が公表したのは茨城県牛久市の医療法人「医心会」の牛久皮膚科医院です。今年2月、正職員だった20代前半の看護助手の女性が、院長に妊娠を告げたところ、院長は後日、「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と述べ、解雇したということです。

女性が茨城労働局に相談し、相談を受けた茨城労働局が指導や勧告をしても解雇を撤回せず、7月に厚労相名で是正勧告をしました。しかし院長は「均等法を守るつもりはない」として従わなかったということです。

同医院は従業員8人で、院長以外は全員女性です。同医院の電話は「院長の体調不良のため休診し、再開のめどは立っていない」との音声メッセージを流し、取材には応じていない、とのことです。

均等法は、妊娠や出産を理由として労働者を解雇したり降格させたりする、いわゆるマタニティーハラスメント(マタハラ)を禁じています。マタハラそのものへの罰則はありませんが、厚労相の是正勧告に従わない場合は、事業所名を公表することができます。

今もこのような人はいるのだと思いますが、ここまでするとは・・・とあきれてしまいます。被害者支援団体からは、「安心して働ける社会になってほしい」といった意見や、逆に「無責任にも、一方的に突然欠勤され、大変な目に遭った」など、賛否両論が寄せられているそうです。

基本は安心して働ける社会、でも過度に甘えない、なのでしょうか。いずれにしても、日本は、女性にとって厳しい社会と感じます。男性も考え方を改める必要があるでしょう。


人手不足対応の調査結果

おはようございます。まだ8月だというのに、この涼しさはなんでしょう。半月前の暑さはどこへ行ったのでしょうか。

日本商工会議所はこのほど、人手不足への対応に関する調査結果を取りまとめました。毎年6月に、最低賃金引き上げの影響に関する調査を行っており、今年度は、人手不足についての影響を把握するために、全国2625事業所にヒアリングを行いました。

人員の過不足状況については、全体の半数以上の企業で不足していると回答しています。業種別にみると、介護・看護、運輸業、建設業で人手不足感が強く、また不足していると回答した企業のうち、求める人材について調査したところ、一定のキャリアを積んだミドル人材が、全ての業種について最も高い結果となりました。一方で、管理職経験者等のシニア人材は、低い割合でした。

女性については、活躍推進について活動を実施している、または検討している企業は6割を超えており、女性の活躍推進について対応を講じています。実施している取り組みは、出産・育児に対応した制度の変更、女性社員の採用数向上、管理職への積極的な登用などとなっています。

高齢でも働ける仕組みの構築は、7割を超える企業で、65歳以降まで働けると回答しています。勤務できる(71.3%)と検討中(18.4%)の合計は約9割となり、勤務できないと回答した割合は9%でした。

65歳以降まで勤務できない理由としては、本人の体力的な面で難しい(50.8%)が半数を超え最多となりました。また、若い年齢層の採用の阻害になる、も約5割となりました。反面、生産性が低下する(26.3%)といった、本人の能力等による理由も一定数あがりました。

労働生産性向上に向けた取り組みについて、半数以上(53.9%)が取り組みを実施している結果となりました。付加価値向上に向けて取り組んでいる内容として、取引(販売)価格の維持・向上、既存市場での顧客数の増加が高い割合となり、現状の取引形態を生かした付加価値向上への取り組みが多い結果となりました。

効率化の観点からは、人員配置の見直し・長時間労働の抑制、業務改善・オペレーションの見直しによる合理化・コスト削減が5割を超える結果となりました。

今はどの業種も人手不足状態です。労働条件を上げて求人しても、なかなか人員を確保できていない状況です。経営上は、更なる生産性向上・コスト削減の推進が不可欠ですね。