残業の上限規制に抜け穴、休日労働は含まれず

おはようございます。昨日も一昨日も雪が降りましたが、今の時期の雪は積もりません。なごり雪かしら、まだ早いか。

政府が導入を目指す「残業時間の上限規制」で、「720時間(月平均60時間)」と定めた年間の上限に「抜け穴」があることがわかりました。休日に出勤して働く時間が上限の範囲外とされていて、「休日労働」の時間を合わせれば、年に960時間まで働かせられる制度設計になっていました。

残業時間の上限規制は、安倍政権が進める働き方改革の最重要テーマです。「過労死ゼロ」を目指して労働基準法に上限を明記し、「抜け穴」をつぶすことが改革の狙いですが、「休日労働」が年間の上限の例外となっていることで、規制の実効性に対する信頼は揺らぎかねません。

労基法は原則として週1日の休日を義務づけています。政府と経団連、連合が合意して3月17日の働き方改革実現会議で提案された新たな規制案では、この「法定休日」(ふつうは日曜)を除く日の時間外労働(残業)だけが上限の範囲とされています。

法定休日に出勤して働いた時間とあわせれば、過労死ラインぎりぎりの「月80時間」の時間外労働を12か月続けることが可能な制度設計になっています。

政府の担当者は「年720時間の上限に、休日労働を上乗せすることは理論上可能」と認めました。一方、休日労働をさせるには労使協定を結び、35%以上の割増賃金を支払う必要があるため、「実態として(企業には)できない」と説明しています。

だが、労働問題に詳しい弁護士は「休日労働について議論がされておらず、真の意味での上限規制になっていない」と指摘しています。

 

今日はもう一つ、助成金改正情報を。4月から助成金の制度が一部改正されるようです。多くの助成金は、割増助成の要件として、生産性要件を設定しています。しかし、生産性要件を外すと、実質減額改正のようです。

特に著しいのは、65歳超雇用推進助成金です。ほぼ4分の1~6分の1に減額されるようです。おそらく申請数は激減するのではないでしょうか。