介護事業会社がマタハラ認定、賠償命令

おはようございます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。桜も終わりました、暖かくなっています。春本番です。

妊娠後に業務軽減を求めたのに怠ったのはマタニティー・ハラスメントにあたるとして、北九州市の介護職員が、勤務する介護事業会社「ツクイ」(本社・横浜市)と元営業所長の女性に慰謝料など約500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4月19日に福岡地裁小倉支部でありました。裁判長は訴えの一部を認め、同社と元所長に35万円の支払いを命じました。

判決によると、介護職員は2009年から同市内の営業所に勤務し、13年に妊娠が判明しました。そして、同社の対応で切迫流産になるなど精神的苦痛を受けたと主張しました。

裁判長は、介護職員が業務軽減を求めた13年9月の面談で、元所長が「妊婦として扱うつもりはない」などと発言したことについて「妊産婦労働者の人格権を害するもの」と労働基準法などへの違法性を認めました。また会社も介護職員の健康への配慮で「就業環境整備義務に違反」と認定しました。

一方、慰謝料については、500万円の支払いを求めていたのに対し、判決は元所長に「嫌がらせの目的があったとはいえない」などの理由から「35万円が相当」としました。未払い賃金の支払いは棄却しました。

同社によると、女性が働きやすい職場作りを進める企業を東証などが選ぶ「なでしこ銘柄」に13年度に選定されました。昨年9月現在で全従業員に占める女性の割合は75.9%となっています。同社は「判決文を確認できていないのでコメントできない」としています。

女性の多い職場というのは、誤解を恐れずに言えば、ある意味怖い感じがします。


349日連続勤務、仁和寺に賠償命令

おはようございます。熊本をはじめとする九州のみなさま、この度の地震では、大変な思いをされていることと思います。心よりお見舞い申し上げます。引き続き余震には、くれぐれもお気をつけください。

さて、世界遺産の仁和寺(京都市右京区)が運営する宿坊の元料理長の58歳男性が、過酷な長時間労働で抑うつ状態になったとして、寺を相手取り約4700万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が4月12日、京都地裁でありました。

裁判長は「きわめて過酷ともいうべき長時間労働を強いており、労働時間規制を軽視する態度は顕著」などと指摘し、業務と病気発症との因果関係を認め、仁和寺に総額約4253万円の支払いを命じました。

判決によると、男性は2005年から境内にある宿坊「御室会館」の料理長を務めていましたが、11年には月100時間以上の時間外労働が常態化していました。月200時間以上になることや349日の連続勤務もありました。

男性は12年に「抑うつ神経症」と診断されて仕事を休むようになり、13年には労働基準監督署から労災認定を受けました。発症前は、1年間で9日しか休みが与えられていなかったということです。

原告男性は判決後に記者会見し「これで人生を一歩前に進めるが、私の体が治ったわけではない、これまで仁和寺から謝罪は一切なく、誠意のなさにショックを受けている」と語りました。

これに対し、仁和寺の担当者は「主張が認められず大変残念、内容を精査して控訴を検討したい」とコメントしました。

寺には何かしらの事情があるのでしょうか。報道を見る限りでは、明らかに寺側に問題があるように思えます。長時間労働には本当に注意しないといけません。病気になってからでは遅すぎます。


HIV休職指示は違法

おはようございます。まだまだ肌寒い感はありますが、大船渡では開花したようで、岩手にも桜の季節がやってきます。

エイズウイルス(HIV)に感染した看護師が、勤務先の病院で本人の同意なく感染情報が共有され、上司から休職を指示されたのは違法として、病院を経営する福岡県の医療法人に損害賠償を求めた訴訟で、違法と認めた二審判決が確定しました。最高裁が3月29日付で医療法人側の上告を退ける決定をしました。

看護師は2011年8月に、勤務先とは別の病院での検査で感染が判明しました。結果は勤務先に伝わり、看護部長らから仕事を休むよう指示され、同年11月に退職しました。勤務先に約1000万円の賠償を求め提訴し、検査結果を伝えた病院との間では和解が成立しました。

福岡地裁久留米支部は「HIV感染者に対する偏見や差別はまだあり、感染は他人に知られたくない情報です。同意を得ないで診療目的以外の労務管理に利用することは許されない」として約115万円の賠償を命令しました。

福岡高裁は「病院は勤務内容を変更して働くことも可能と説明している」として、賠償額を約61万円に減額しました。

厚生労働省のガイドラインは、HIV感染は解雇の理由にならないと明記しています。雇用側は労働者の感染情報の秘密保持を徹底し、健康ならば他の人と同じ処遇で扱い、感染リスクの高い医療従事者でも基本的に変わらないとしています。

今年度はいつも以上の活動をしていきます。多くのお客さまに出会い、地元に関与・貢献していきたいです。また、できれば本を書きたいと思っています。本年度も宜しくお願いいたします。