バス協会に労働時間管理徹底要請

おはようございます。ゴールデンウイークに突入しました。皆さんは仕事でしょうか、行楽でしょうか、それとも自宅。1日は24時間、有効につかたいものです。

厚生労働省は、4月25日、労働基準局長から公益社団法人日本バス協会に対して、バス運転者の労働時間管理等の徹底に関する要請を行いました。この要請は、今年1月に発生した軽井沢スキーバス事故を受け、全国の労働基準監督署において実施した、貸切バス事業者に対する緊急の集中監督の結果を踏まえたものだそうです。

公益社団法人日本バス協会への要請の内容は以下の通りです。

1.バス運転者の労働時間などについては、基準法および改善告示に定められた規定の遵守を、改めて徹底すること。
2.長時間にわたる外・休日労働を行ったバス運転者に対しては、面接指導などを行うとともに、労働時間の短縮など適切な措置を講じること。
3.バス運転者の健康管理を適切に行うため、労働安全衛生法に基づく健康診断を確実に実施すること。また、所見が認められたバス運転者に対しては、「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」に基づき適切な就業上の措置を講じること。
4.「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づき、睡眠時間の確保に配慮した適正な労働時間などの管理、乗務開始前の点呼等の実施、適正な走行計画の作成など、適切な措置を講じること。

また、同日、各地のツアーバス運行業者を対象に、運転者の労働環境を調査した結果、労働基準法などの法令違反が85%に当たる166事業所で認められ、是正勧告したと発表しました。

違反の主な内訳は、法令上の上限時間を超えた労働が95事業所、健康診断の未実施が39事業所、十分な休日を取らせていないのが15事業所でした。これは厚労省が196事業所を選び、1~3月に調査した結果です。

厚労省は、休憩も含めた拘束時間や運転時間の上限を定めた告示への違反状況も調査しております。これについては61%に当たる119事業所で違反があり、告示で定める最大拘束時間の超過が最も多い結果となりました。

経営が大事です。でも事故が起きてからでは遅いですから、起きたらつぶれます。


介護事業会社がマタハラ認定、賠償命令

おはようございます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。桜も終わりました、暖かくなっています。春本番です。

妊娠後に業務軽減を求めたのに怠ったのはマタニティー・ハラスメントにあたるとして、北九州市の介護職員が、勤務する介護事業会社「ツクイ」(本社・横浜市)と元営業所長の女性に慰謝料など約500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4月19日に福岡地裁小倉支部でありました。裁判長は訴えの一部を認め、同社と元所長に35万円の支払いを命じました。

判決によると、介護職員は2009年から同市内の営業所に勤務し、13年に妊娠が判明しました。そして、同社の対応で切迫流産になるなど精神的苦痛を受けたと主張しました。

裁判長は、介護職員が業務軽減を求めた13年9月の面談で、元所長が「妊婦として扱うつもりはない」などと発言したことについて「妊産婦労働者の人格権を害するもの」と労働基準法などへの違法性を認めました。また会社も介護職員の健康への配慮で「就業環境整備義務に違反」と認定しました。

一方、慰謝料については、500万円の支払いを求めていたのに対し、判決は元所長に「嫌がらせの目的があったとはいえない」などの理由から「35万円が相当」としました。未払い賃金の支払いは棄却しました。

同社によると、女性が働きやすい職場作りを進める企業を東証などが選ぶ「なでしこ銘柄」に13年度に選定されました。昨年9月現在で全従業員に占める女性の割合は75.9%となっています。同社は「判決文を確認できていないのでコメントできない」としています。

女性の多い職場というのは、誤解を恐れずに言えば、ある意味怖い感じがします。


349日連続勤務、仁和寺に賠償命令

おはようございます。熊本をはじめとする九州のみなさま、この度の地震では、大変な思いをされていることと思います。心よりお見舞い申し上げます。引き続き余震には、くれぐれもお気をつけください。

さて、世界遺産の仁和寺(京都市右京区)が運営する宿坊の元料理長の58歳男性が、過酷な長時間労働で抑うつ状態になったとして、寺を相手取り約4700万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が4月12日、京都地裁でありました。

裁判長は「きわめて過酷ともいうべき長時間労働を強いており、労働時間規制を軽視する態度は顕著」などと指摘し、業務と病気発症との因果関係を認め、仁和寺に総額約4253万円の支払いを命じました。

判決によると、男性は2005年から境内にある宿坊「御室会館」の料理長を務めていましたが、11年には月100時間以上の時間外労働が常態化していました。月200時間以上になることや349日の連続勤務もありました。

男性は12年に「抑うつ神経症」と診断されて仕事を休むようになり、13年には労働基準監督署から労災認定を受けました。発症前は、1年間で9日しか休みが与えられていなかったということです。

原告男性は判決後に記者会見し「これで人生を一歩前に進めるが、私の体が治ったわけではない、これまで仁和寺から謝罪は一切なく、誠意のなさにショックを受けている」と語りました。

これに対し、仁和寺の担当者は「主張が認められず大変残念、内容を精査して控訴を検討したい」とコメントしました。

寺には何かしらの事情があるのでしょうか。報道を見る限りでは、明らかに寺側に問題があるように思えます。長時間労働には本当に注意しないといけません。病気になってからでは遅すぎます。