がん罹患後も同じ勤務先で仕事を続けている人86%

おはようございます。日差しは暖かいのですが、普通に外に出ていると、やはり寒いです。でも、ふきのとうや福寿草は、もう春だと言っています。

三菱リサーチ&コンサルティングは、がんに罹患した就業者における治療と仕事の両立の実態や、両立支援制度の利用状況、職場での相談状況、また就業継続のために職場に求められる取組などを明らかにすることを目的として、2015年8月にアンケート調査を実施しました。

調査の対象者は、がん罹患時に正社員として働いており、現在も何らかの形で就業を継続している男女978名です。

まず、がん罹患時の年齢は、男性では40~50代、女性では40代以下が中心となっています。また男性では、課長以上の管理職層が45.1%を占めています。

がん罹患後の勤務先変化をみると、罹患後も離職せず、同じ勤務先で働いている人が86.0%です。また、退職し、転職・再就職して現在も働いている人が14.0%となっています。

退職した理由としては、体力面から継続して就労することが困難であったため、治療と仕事を両立するために活用できる制度が勤務先に整っていなかったため、などが多く挙げられています。

一方、罹患時と同じ勤務先で働いている人が、継続できた理由として多く挙げたのは、職場の上司や同僚の理解・協力があったためであり、上司や同僚の理解・協力が就業継続につながっています。

がん治療と仕事の両立のために利用した制度などで上位に挙がっていたのは、有休休暇、半日・時間単位の休暇制度、遅刻・早抜けなどの柔軟な対応、などとなっています。罹患時の勤務先でがんについて報告・相談した相手については、所属長・上司の割合が最も高く、約8割の人が相談しています。

治療をしながら働くうえで困難であったこととしては、再発に対する不安が大きい、治療・経過観察・通院目的の休暇・休業が取りづらい、働き方を変えたり休職することで収入が減少する、などが多く挙げられています。

また、必要な勤務先からの支援としては、出社・退社時刻を自分の都合で変えられる仕組み、がん治療に関する費用の助成、など、経済的な支援とともに、治療の状況に応じた柔軟な勤務を求める声が多い結果となりました。

担当している仕事の負担の問題はあるにしても、時間休や有給休暇、遅刻・早抜けなどの制度を使って、がんを患った社員のためになるなら、会社としては積極的に支援したいものです。