有給休暇の計画的付与から義務化の検討

おはようございます。大型台風が接近中とのことですが、ここ数日は良い天気に恵まれています。皆既月食もとてもきれいでした。

厚生労働省は、企業に対し、有給休暇の消化を義務付ける検討を始めました。今は、原則として、社員の希望する日に有給休暇を取得するとしています。旧世代の私は、風をひいた程度なら、熱でも出ない限り休まないのが普通かなと思っていました。まあ、こんなことを言っていたら、当然、何言ってんの、と苦情を言われてしまいます。

最近の労働時間に関するトラブルをみると、休めない、という社員や家族の不満から出ているというのが多いようです。
●仕事を計画的に片づけて有給休暇を使えばいいのに
●自分勝手な社員ばかりが有給休暇を使っている
●忙しい時季を狙っているかのように有給休暇の申請をする社員がいる

こんな状況があるのなら、会社が計画的に有給休暇を振り分けるのも、いいかもしれません。とはいえ、
⦿休日出勤した後の振替休日さえ取れない
⦿パートさんに有給休暇があるなんて納得できない
という声も聞きます。

今回の検討は、労働基準法を改正し、義務化することで、有給休暇の取得率を引き上げるのが狙いです。しっかり休暇を取り、リフレッシュし、長時間労働の是正を進め、労働者の生産性を高めるというものです。

しかし、ちゃんと給料が出る仕組みがなければ、休みもチョット辛い。いろいろな働き方が模索される中、ダブルワークやパート社員も増える傾向です。厚生労働省は、来年1月の通常国会に出す労働基準法改正案に盛り込み、早ければ2016年春の施行を目指しているようです。

経団連も、検討に値する、としており、今の社会情勢の中で、絶対反対とは言いにくく、もしかしたら、法案通過の可能性もあり、今のうちから有給休暇管理を見直しておく必要がありそうです。


マタニティーハラスメント

おはようございます。すっかり秋めいてきました。先日は、マイタケ狩りに出かけました。素晴らしい秋晴れと、嬉しい収穫を楽しんできました。

さて、皆さんは、マタハラってご存知ですか?マタニティーハラスメントのことだそうです。何でもかんでもハラスメントにするのか、とも思いますが、まあこれも、今の世の中なんですね。

昭和の女性代表、私のカミさん曰く、妊娠も出産も育児も会社勤めも死にもの狂い。人の目なんて気にしていられない、もう必死だった。時は流れ、今は平成。会社側から見れば、昭和の女性は使えるけれど、平成の女性は・・・となるのかもしれません。しかし、今は間違いなく平成。

妊娠、出産で会社を休むのは迷惑なんて言っているのなら、まだまだ、あまちゃん。そのあとの方が大変です。職場復帰後、子育てをしながらの社員は、子供の発熱、カゼ、ケガなど、その後の方が、もっともっと休むことを覚悟してください。女性にとって子供は、絶対的に優先順位が1番で、わが子のこととなれば、仕事なんて、ずっと後回し。とカミさんは言っていました。

これからの職場労働力を考えると、女性を活用することができる会社が大きく伸びると思います。今までは男性しかいなかった職場、職種はたくさんあります。しかしこれからは、どんどん女性を受け入れ、女性の働きやすい職場環境をつくることができる会社が勝ち残ります。

ただし、お情けで女性の働く場を与えようとする必要はないと思います。男性のお情けで下働きだけをさせるような扱いをすると、とんでもない反逆をくらう世の中になりました。女性の能力が活用できる仕組みづくりが、できていなかったことに気付き、早急に改善し、女性力活用に向けて、真剣に取り組むべきだと思います。

妊娠、出産、育児、子育て、これからは、今までの対応と同じでは、トラブルになることもあり得ます。経営者の社員への愛が、試される問題かもしれません。おそらく甘すぎてもダメでしょう、厳しすぎてもダメでしょう。これからの労務管理においてクリアにすべきセンシティブな問題ですね。


最低賃金が変わります

おはようございます。秋らしい秋分の日になっています。お墓参りをされる方も多いかと思います。

各地の最低賃金が発表され、10月からの改定となります。都道府県により発効日は多少違いますが、岩手県は10月4日(土)に発効される予定です。昨年の665円から13円アップし、今年の岩手県の最低賃金は678円になります。

最低賃金は、絶対に守るべき賃金基準です。給与台帳などで、最低賃金割れがないことを、しっかり確認しなければなりません。

ここで、最低賃金について再確認しましょう。最低賃金は、働くすべての労働者が対象です。正社員、臨時、パート、アルバイト、日雇い、性別、国籍、年齢の区別なく適用されます。そして、最低賃金には、次の手当や賃金は算入されません。

①皆勤手当、通勤手当、家族手当
②臨時に支払われる賃金(結婚手当、慶弔手当など)
③1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)
④時間外労働、休日労働、深夜労働の手当

最低賃金が変わるたびに給与の基本給を見直す必要がある会社様も多く、岩手の場合、最低保証を最低賃金665円で設定しているなら、当然、678円に置き換えて10月以降の給与計算をしなければならないですね。

今年の東京の最低賃金は、888円の予定です。岩手より210円も高いのです。というか、全国的にみても岩手は毎年、ほぼ最下位です。経営者にとっては、まだ良いのかもしれません。逆に労働者にとっては、チョットきついかもしれません。

ご近所さんの実話ですが、お母さんは岩手でパートをしていて、その娘が東京で大学生。娘が夏に帰省したときの話。
娘「飲食店でバイトしてるよ」
母「時給いくら?」
娘「1000円だよ」
母「ゲッ、・・・私700円なんだけど」